体外受精前の体づくり|採卵・移植前に見直したい生活習慣
2026年09月23日
「体外受精を始める前に何をしたらいい?」
「採卵や移植までに、自分でできることはある?」
体外受精を始めると、採卵数や受精率、胚盤胞のグレードなど、検査や治療の結果に意識が向きやすくなります。
しかし、治療を病院に任せるだけでなく、普段の生活習慣を見直すことも大切です。
3種類5種類のサプリだけで妊娠率が改善するわけではありません。
体外受精前の体づくりでは、特別なことを増やす前に、まず基本的な生活習慣を整えることから考えていきましょう。
体外受精前の体づくりで大切なこと
体外受精前になると、
「卵子に良い食べ物は?」
「どのサプリを飲めばいい?」
と考える方も多いでしょう。
しかし、妊活の体づくりは一つの栄養素だけで考えるものではありません。
まず確認したいのは、
・睡眠時間と生活リズム
・食事の偏り
・運動不足
・喫煙
・飲酒
・体重や体調
・男性側の生活習慣
などです。
ASRMも、妊娠を希望する男女に健康的な生活習慣を勧めており、特に喫煙は生殖機能やARTの成績と関連することが報告されています。 アメリカ生殖医学会
採卵前は「卵子の質」だけを考えすぎない
採卵前になると「卵子の質を上げたい」と考える方は多いですが、卵子の状態は年齢や卵巣機能などさまざまな要因に影響されます。
そのため、
「これを食べれば卵子の質が上がる」
「この栄養だけ摂取すれば良い卵子が採れる」
と単純に考えることはできません。
一方で、喫煙を避ける、睡眠不足を見直す、卵子・精子にしっかり栄養補強をするなど、一般的な健康管理を行うことは妊活中でも大切です。
体外受精では、治療結果を一つの方法に委ねるのではなく、できることを積み重ねるという考え方が重要です。
採卵前に見直したい生活習慣
採卵前にまず確認したいのが睡眠です。
睡眠不足が続いている方は、まず毎日の就寝・起床時間を見直してみましょう。
次に食事です。
特定の「妊活食」に偏るのではなく、主食・主菜・副菜を基本に、さまざまな食品から栄養(タンパク質・食物繊維)の基準値を摂ることを意識します。
運動も、激しい運動を増やす必要はありません。
普段ほとんど身体を動かしていない方であれば、歩く時間を増やすなど、無理のない範囲で身体活動を確保することから始めます。
一方、卵巣刺激中は卵巣が大きくなることもあるため、採卵周期の運動については運動の仕方や強度を調整する必要もあります。
胚移植前も特別なことをしすぎない
胚移植が近づくと、
「身体を温めた方がいい?」
「何か特別な食べ物を食べるべき?」
と考える方もいます。
しかし、移植直前だけ生活を大きく変えるよりも、それまでの睡眠・食事・運動などを安定させる方が現実的です。
また、着床しない原因は生活習慣だけで説明できるものではありません。
反復着床不全についても、ESHREはさまざまな検査や治療の中に十分なエビデンスがないものがあると指摘しており、患者ごとの状況に応じて考える必要があります。 ESHRE
男性側も体外受精前の体づくりを考える
体外受精というと女性側の準備ばかりに目が向きますが、受精には精子も関係します。
そのため男性側も、
・喫煙
・飲酒
・睡眠不足
・運動不足
・食生活
などを見直すことが大切です。
特に喫煙は、精液所見への悪影響との関連も報告されています。 アメリカ生殖医学会
妊活は女性一人で行うものではなく、夫婦で身体づくりを考えていくことが重要です。
体外受精では「治療」と「体づくり」を分けて考える
体外受精では、卵巣刺激、採卵、受精、胚培養、胚移植など、病院で行う医療が中心になります。
一方で、睡眠・食事・運動などは、日常生活の中で自分たちが見直せる部分です。
つまり、
病院=採卵・受精・培養・移植などの医療
体づくり=日常生活を整えること
と役割を分けて考えると分かりやすいでしょう。
「病院の治療か、体づくりか」ではなく、必要な医療を受けながら、その治療に向き合うための生活環境も整えていくことが大切です。
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【執筆者】
札幌整体サロンアトレ 代表 鈴木
柔道整復師
【参考資料】
・American Society for Reproductive Medicine「Optimizing natural fertility: a committee opinion」 アメリカ生殖医学会
・American Society for Reproductive Medicine「Tobacco or marijuana use and infertility」 アメリカ生殖医学会
・ESHRE「Good practice recommendations on recurrent implantation failure」







